よく聞く、M&A用語集② – 報酬・料金・費用編 –
着手金
譲渡や買収の業務を仲介会社に依頼した際に発生する費用のことです。仲介会社ごとに金額の取り決めを行っており、水準は会社の規模や難易度に応じて決定されます。また、仲介会社によっては着手金を必要としない(中間報酬と成功報酬のみ)会社もあります。着手金を支払った場合、成約するしないに関わらず、返金されません。近年は他社との差別化で無料となっている仲介会社も多くなってきています。
中間報酬
譲渡企業と譲受企業が基本合意に達した際に仲介会社に支払われる報酬のことです。中間報酬の相場は約50万円~200万円となっており、これは成功報酬の10%~20%に相当します。こちらも着手金と同様、成約するしないに関わらず返金されませんが、成功した場合の成功報酬に含まれる場合があります。
成功報酬
M&Aがクロージングまで至った際に、仲介会社に支払われる報酬のことです。着手金や中間報酬は請求せずに、成約時に成功報酬のみを請求する仲介会社が増加しています。成功報酬の多くは取引金額をベースに一定の料率を乗じて計算されます。また、成功報酬には最低報酬金額を設定していることが一般的です
レーマン方式
M&A仲介会社の成功報酬における一般的な計算方式です。株式の売買価格(株式価値基準)や株式の売買額と負債額の合計(移動総資産基準)に対して一定の料率を乗じて算出されます。
<一般的な売買価格に対する手数料率>
売買価格5億円以下の部分:5%
売買価格5億円超10億円以下の部分:4%
売買価格10億円超50億円以下の部分:3%
売買価格50億円超100億円以下の部分:2%
売買価格100億円超の部分:1%
上記の手数料率の場合、売買価格が5億円以下の場合は手数料率5%をかけるだけとなります。
売買価格が5億円を超える場合、超えた部分の金額に対しては、それぞれの手数料率をかけて計算します。
例えば、売買価格が12億円の場合の報酬金額は、以下の計算式になります。
<売買価格が12億円の場合の報酬金額>
(1)5億円(~5億円部分)×5%=2,500万円
(2)5億円(5億円~10億円部分)×4%=2,000万円
(3)2億円(10億円~12億円部分)×3%=600万円
上記(1)~(3)の合計5,100万円(=2,500万円+2,000万円+600万円)
仲介会社によって採用している基準が異なる為、事前に確認が必要です。
まとめ
仲介会社によって報酬体系が大きく異なり、それにより譲渡企業は受け取る金額が減少、譲受企業は支払う金額が増加します。
譲渡や譲受を検討される際は依頼する仲介会社に確認が必要です。